【レポート】ニューノーマルな働き方をセキュアに実現する AWS エンドユーザーコンピューティング #AWS-17 #AWSSummit
この記事では、5月11日に行われた AWS Summit Online 2021 のオンラインセッション『ニューノーマルな働き方をセキュアに実現する AWS エンドユーザーコンピューティング(AWS-17)』をレポートします。
セッション概要
本セッションでは、これからリモートワークを導入する方向けに、AWS エンドユーザーコンピューティング (EUC) の主なサービスである、Amazon WorkSpaces、Amazon AppStream 2.0 それぞれの概要、導入に関する抑えておきたいポイント、ユースケースについてご紹介していきます。
登壇者
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 パートナーアライアンス統括本部 テクニカルイネーブルメント部 パートナーソリューションアーキテクト 石倉 徹
レポート
エンドユーザーコンピューティングのユースケース
- リモートワーク用途のセキュアなデスクトップの提供
- 合併や買収などによる迅速なデスクトップの統合
- コンタクトセンター
- 高負荷なアプリケーションの配信
- 教育現場などの非永続的なデスクトップの提供
いずれのユースケースでも情報セキュリティおよび業務の継続性が重要である。
AWS エンドユーザーコンピューティング(EUC)
- ユーザーがいつでもどこでもデータやアプリケーションにアクセスできる
- データの安全性を維持し、複雑さを低減してユーザーの生産性向上を支援
-
EUCの代表的なAWSサービス
- Amazon WorkSpaces
- Amazon AppStream 2.0
AWS EUCの特徴
- セキュリティの向上
- 情報漏洩リスクの軽減
- 敏捷性の向上
- 迅速なデスクトップ、アプリケーションを展開できることでユーザーエクスペリエンスが向上
- 信頼性の向上
- 堅牢なデータセンターで稼働
- 99.9%のアップタイム
- コストセービング
- 用途に合わせたバンドルを選択
- 従量課金
- フルマネージドサービスとして提供
フルマネージドサービスの説明図
- AWS EUCを利用する場合、お客様側の作業は以下の点
- イメージ管理
- ディレクトリサービス、ポリシー管理
Amazon WorkSpaces
- AWSの提供するフルマネージド側仮想デスクトップサービス
- セキュアなクラウドデスクトップ
- 初期投資が不要
- シンプルなデプロイと管理
- サイジングが不要。必要な台数の増減が容易
- 多様なクライアントデバイス
- 利用中のPC、ChromeBookやタブレット、ウェブブラウザからのアクセスが可能
- 豊富なバンドル
- バンドルとは、OS、ハードウェア(CPU、GPU、メモリ、ストレージ)が定義されたもの
- バンドル名(Performance,Power,Graphics...)から選択、変更が可能
- 柔軟な課金
- 月額課金(AlwaysOn)。常に電源がOnなのですぐにアクセスできる
- 時間課金(AutoStop)
- ツールとの連携
- AWSサービスはもちろんのこと、DirectConnect経由によるオンプレミスと連携
- ActiveDirectoryサービスとの連携
- MFAの実装が可能(別途Radiusサーバが必要)
- SCCM、WSUS管理ツールとの連携
- 永続型のデスクトップとして提供
Amazon WorkSpacesの接続フロー
- 認証時にオンプレミスActiveDirecotryと連携するには、DirectConnectDirectConnectまたは、VPN経由となる(4a)
- MFA認証が実装されている場合は、Radiusサーバとの連携が必要(4b)
- 認証後、ストリーミングセッションがユーザーに付与される(5a)
Amazon AppStream 2.0
- ユーザーにデスクトップアプリケーションへの即時アクセスを提供
- セキュアなアプリケーション配信
- アプリケーションとデータはユーザーデスクトップに保持されない
- アプリケーションの一元管理
- 既存ITと統合
- アプリケーション配信時のセッションに応じて自動拡張される
- セキュアなアプリケーション配信
- 非永続型アプリケーションまたは、非永続型デスクトップとして提供
Amazon AppStream 2.0の接続フロー
- DirectConnectやVPNからVPCエンドポイント経由でストリーミングゲートウェイと接続が可能(2b)
AWS EUCの選択指針
- デバイス戦略
- 利用中のデバイス、今後利用するデバイス
- デバイスへアプリケーションのインストール可否
- アクセス経路
- エンドユーザーエクスペリエンス
- ユーザーの満足度が重要
- データ、ユーザーが求める自由度の実現可否
- アプリケーション
- アプリケーションが稼働する要件
- 非機能要件
- 既存Directoryサービスとの連携
- 他要素認証の実装
- 管理ツールとの連携
AWS EUCの選択例
- コールセンターユーザーには、Amazon WorkSpacesやAmazon Appstream2.0がマッチ
- デバイスは、シンクライアントやゼロクライアントを利用
- 定型業務やワークフローが固定化したものがメイン
- Webシステムや低負荷のアプリケーションで稼働
- リモートワークユーザーには、Amazon Amazon WorkSpacesがマッチ
- デバイスは、会社貸与のPC、BYODを利用
- アプリケーションのインストールや複数アプリケーションの起動による処理など、自由度が求められる
- 専門職(設計、デザイナー)ユーザーには、GPUに特化したAmazon WorkSpacesやAmazon Appstream2.0がマッチ
- デバイスは、会社貸与のPC、BYODを利用
- 物理PCに近い使用感が求められる
- レンダリングなど高負荷なアプリケーションの処理
感想
リモートワークが望まれるなか、フルマネージドサービスとして提供されているAWS EUCの特徴や選択指針を理解することができるセッションでした。リモートワークでも生産性を向上する支援できるサービスをどんどん利用していきたいと感じました。